
ミシンの調子が悪いわけではなくても、たまには少しお手入れしてあげませんか。
車を洗ったり、道具箱を整理したりするように、ミシンも使っているうちに少しずつ糸くずやホコリがたまります。
針板の下、送り歯のまわり、ボビンケース周辺は、見えにくいけれど汚れがたまりやすい場所です。
難しい分解や修理ではありません。
針を替える、糸くずを取る、必要な機種だけ説明書に沿って注油する。これだけでも、次に縫う時の気持ちよさが変わることがあります。
このページでは、ミシンを気持ちよく使うための基本のお手入れを紹介します。
まずは電源を切る

作業前に、必ずミシンの電源を切ります。
できればコンセントも抜いてから始めると安心です。
針や針板まわりを触るので、うっかり動かない状態にしてからお手入れしましょう。
針を新しいものに替える

針は、見た目では傷みがわかりにくい部品です。
少し曲がっていたり、先が丸くなっていたりすると、縫い目が乱れたり、糸が切れたり、目飛びの原因になることがあります。
「まだ使えそう」に見えても、しばらく替えていないなら新しい針に替えておくと安心です。
針の向きや、奥までしっかり入っているかも一緒に確認しましょう。
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針板の下と送り歯まわりを掃除する

針板を外せる機種は、取扱説明書に従って外します。
針板の下や送り歯のまわりには、細かい糸くずやホコリがたまりやすいです。
ここが汚れていると、布送りが悪くなったり、縫い目が安定しにくくなったりすることがあります。
付属のブラシややわらかいブラシで、見える範囲の糸くずをやさしく取り除きます。
ボビンケース・釜まわりを掃除する

下糸まわりも、糸くずがたまりやすい場所です。
ボビンケースや釜まわりに糸くずがたまると、糸の動きが不安定になったり、下糸がからみやすくなったりすることがあります。
ただし、無理な分解はしないでください。
外し方がわからない部品は触らず、取扱説明書で案内されている範囲だけを掃除します。
お手入れ後は、糸をかけ直しておく

糸をかけ直すこと自体は、ミシン本体のメンテナンスではありません。
ただ、お手入れ後に試し縫いをするための準備として、上糸と下糸を一度整えておくと安心です。
上糸は、押さえを上げた状態で最初からかけ直します。
押さえを下げたまま糸をかけると、糸調子皿に糸がきちんと入らないことがあります。
下糸も、ボビンの向きや糸の通し方を確認します。
お手入れの最後に、糸をかけ直して端切れで試すところまでやっておくと、次に使う時にすぐ縫い始められます。
端切れで試し縫いする

掃除と糸かけの確認が終わったら、いきなり本番の布で縫わず、端切れで試し縫いします。
- 縫い目が安定しているか
- 糸がからまないか
- 布がスムーズに進むか
- 表と裏の糸調子に大きな乱れがないか
ここまで確認しておくと、次に作品を縫う時の不安を減らしやすくなります。
やらない方がいいこと

ミシンの中を、無理に奥まで分解するのは避けましょう。
また、エアダスターで強く吹くと、ホコリを奥へ押し込んでしまうことがあります。
見える糸くずをブラシで取る、説明書に書かれた範囲で掃除する、という基本で十分です。
油は、家庭用ミシンと職業用ミシンで考え方が違います
ミシンに油をさすかどうかは、家庭用か職業用か、また機種によっても違います。
家庭用ミシンの場合
最近の家庭用ミシンは、ユーザー側で注油しない前提のものもあります。説明書に「注油してください」と書かれていない場合は、自分の判断で油をささない方が安心です。
特に、コンピューターミシンや電子ミシンは、内部に油を入れてよい場所・入れてはいけない場所があります。見えるところに油をさせばよい、というものではないので、必ず取扱説明書を確認してください。
職業用ミシンの場合
職業用ミシンは、家庭用ミシンよりも注油が必要な機種が多いです。ただし、注油する場所や回数は機種によって違います。油穴がある機種でも、説明書で指定された場所に、指定された量だけさすのが基本です。
毎日使う場合はこまめな注油を案内している機種もありますが、使う頻度が少ない場合や機種が違う場合は、必ず取扱説明書に従ってください。
どちらの場合も、使う油はミシン専用油だけです。
オリーブオイルやサラダ油などの食用油は、乾きにくく、ベタつきや固まり、ホコリの付着につながるため代用しないでください。潤滑スプレーなども、機種によっては故障や汚れの原因になることがあります。
ミシン油がない場合は、別の油で代用せず、まずは掃除・針交換・糸かけ確認までにしておくのが安心です。
また、油をさしすぎると布に油じみが付くことがあります。注油後は余分な油をふき取り、端切れで試し縫いしてから本番の布を縫いましょう。
なお、工業用ミシンのようにオイルパンへ油を入れるタイプは、家庭用・職業用ミシンとは管理方法がさらに違います。油量の目盛りや油の種類、交換時期など、必ず機種ごとの説明書に従ってください。
不調が続く時は、症状別に確認する

今回紹介しているのは、気持ちよく使うための基本のお手入れです。
掃除、針交換、糸かけ確認をしても、糸がからむ・目飛びする・布が進まないといった不調が続く場合は、症状別に原因を確認した方がわかりやすくなります。
特に、次のような場合は、無理に使い続けず、販売店やメーカー、修理店への相談も考えてください。
- 針が何度も折れる
- 金属がこすれるような音がする
- はずみ車が重い
- 釜に傷がある
- 何度確認しても目飛びする
- 下糸が毎回ぐちゃぐちゃに絡む
たまに整えておくと、次に縫う時が気持ちいい
ミシンのお手入れというと、少し面倒に感じるかもしれません。
でも、最初にやることはとても基本的です。
- 針を替える
- 糸くずを取る
- 必要な機種だけ、説明書に従って注油する
- 端切れで試す
不調が出てから慌てて見るだけでなく、「最近よく縫ったな」「しばらくミシンを使っていなかったな」という時に、少し整えておく。
それだけで、次にミシンを出す時の気持ちよさが変わることがあります。
糸がからむ、目飛びする、布が進まないなど、すでに不調が出ている場合は、保存版|ミシンでうまく縫えない時に見るページもあわせてご覧ください。