生地のマルイシ、店長の石井です。
この記事では、マルイシの型紙で作品を作る前に、布を切るところで見ておきたいことをまとめます。
型紙が手元にあると、早く布を広げて裁断したくなります。
ただ、布は、切ると元の大きさには戻せません。縫い間違いはほどいて直せることもありますが、裁断ミスはあとから直すのが難しいです。
だからといって、身構えてほしいわけではありません。切る前に一度だけ順番に見る。やることはそれだけです。
この記事では、型紙を切るところから、生地に型紙を置いて裁断するところまで、僕が普段見ているポイントを順番にまとめます。
型紙は、布を切る前に全体を一度見ておくと安心です。
まず、型紙の種類を見る
マルイシの型紙には、1枚に1サイズだけ入っているものと、1枚に複数サイズが入っているものがあります。
1サイズだけの型紙は、基本的に線通りに切っていただいて大丈夫です。
ここは大事なところです。
生地のマルイシのオリジナル型紙は、すべて縫い代込みです。自分で縫い代を足さなくて大丈夫で、型紙の線に沿ってそのまま切れます。
ただし、作り方の中で折り上げや三つ折りなどの指示がある場合は、説明書の通りに進めてください。洋裁本や他社の型紙を使う時は、縫い代込みかどうかを別で確認します。
複数サイズの型紙は、写して使うと残しやすい
複数サイズが入っている型紙は、原本をそのまま切らず、別紙や型紙用不織布に写して使う方が多いと思います。
あとで別サイズを作る可能性があるなら、ここで原本を残しておく方が助かります。
写し間違いは、たまにあります。僕も何度もやっています。
防ぐために、まず「自分がこれから写す線」を指でゆっくり追ってみてください。この線を写すんだ、と目と指で一度確認してから写すだけで、隣のサイズ線をなぞるミスが減ります。
もう一つは、できるだけ透けるものに写すことです。下の線が見えにくい紙だと、うっすら見えた線をなぞったつもりが、実は隣の線だった、ということがあります。
型紙を写すなら、型紙用不織布が扱いやすいです。透けるので下の線が見やすく、ペンで書けて、切りやすい。いろいろ試した中では、かなり写しやすいです。
型紙用不織布
不織布の型紙を少ししっかりさせる小技
型紙用不織布は写しやすい一方で、やわらかいです。1回使うだけならそのままでもいいのですが、何度も使うなら少し頼りなく感じることがあります。
その時は、裏に布ガムテープを貼るとずいぶんしっかりします。
全面に貼らなくても大丈夫です。真ん中にバッテン、端の要所に少し貼るくらいで扱いやすくなります。
これは、以前見せていただいた縫製工場さんで実際にされていて、いいなと思って僕も使うようになった方法です。
少し脱線しますが、同じポケットを何度もアイロンで同じ形に整えるような現場では、アルミ缶を切ってポケット形の型にしている工場さんもありました。アルミなので丈夫で、熱も通りやすい。量産ではなるほどな、と思う工夫です。
家庭で必ず必要という話ではありません。ただ、型紙まわりはこういう小さな工夫でかなり楽になります。
型紙のパーツと枚数をひと通り確認する
布を広げる前に、型紙のパーツ名と必要枚数を一度見ます。
- 前身頃、後身頃、袖、衿、見返し、ポケットなど、必要なパーツがあるか
- 1枚なのか、2枚なのか、4枚なのか
- 「わ」で裁つパーツか、左右で裁つパーツか
- 表地だけでよいか、裏地・別布・接着芯が必要か
- ゴム、ひも、ボタン、スナップなど副資材が必要か
小さなパーツは、裁ち忘れてもあとから端切れで取れることがあります。ただ、生地に余裕がない時や柄合わせをしたい時は、最初に場所を決めておく方がきれいです。
大きなパーツだけ先に裁つ前に、全パーツを一度見ておくと安心です。
型入れをしてから、生地を切る
型紙が準備できたら、次は布の上に置いていきます。ここで「型入れ」をします。
生地幅が110cmなのか、146cmなのか。地の目線を布の縦方向に合わせながら、前身頃、袖、ポケットなどを並べていきます。
当店の型紙では、商品ページや作り方に型入れ図を載せているものもあります。その場合は、まずそれを見てもらうと迷いにくいです。
型入れ図がない時、自分で並べる時にいちばん見てほしいのは、やっぱりパーツの枚数です。1枚なのか、2枚なのか、4枚なのか。「わ」と書いてあるのか、左右があるのか。ここを先に確認してから布に線を移すと、裁断後の「あれ、足りない」が減ります。
用尺どおりに買っていても、柄の向き、サイズ変更、丈の調整、裁ち方の違いで、置き方が変わることがあります。大きなパーツから順番に置いてみると、小さなパーツを取る場所も決めやすいです。
地の目、柄の向き、布の表裏を見る
型紙には、地の目線が入っていることがあります。地の目線は、布の向きに合わせて型紙を置くための目印です。布目を大きくずらして裁つと、仕上がりの形がゆがんだり、着た時の落ち方が変わったりすることがあります。
布の表裏は、悩みすぎなくて大丈夫です。
生地のマルイシの綿ポリダンガリーシリーズ、ダンガリーシリーズ、ブロードなどは、基本的に表裏を気にせず使えます。どちらで裁断してもOKです。
実は、どちらを表にしても問題ない生地は多いです。見た目が好きな方を表に使えばいい。ここは正解がひとつではありません。
でも、知識として裏表を知っておくのは面白いです。暇な人は、生地の裏表の判別方法も読んでみてね。
耳だけで決めるのではなく、ツヤ、色の出方、柄の鮮明さ、織り目などを合わせて、僕らは「じゃあこっちが表だね」と見ます。ここまで知らなくても裁断はできますが、知ると生地の見方がちょっと変わります。
たとえば 綿ポリ 織りドット 7000 は、白いドットが出る面を表にしても、色のドットが出る面を表にしても、どちらも正解です。作品に合う方、自分が好きな方を表にしてください。
7000 綿ポリ 織りドット。白いドットを表にしても、色のドットを表にしても、どちらも使えます。
見ておきたいのは、柄に上下がある生地、毛並みがある生地、片方向に見える柄です。チェック、ストライプ、花柄でも、向きをそろえたい時は裁断前に見ます。
- 柄に上下があるか
- 左右パーツの柄向きが同じになるか
- ポケットや見返しだけ柄が逆にならないか
- ストライプやチェックをどこで合わせたいか
柄合わせを完璧にしなきゃ、という話ではありません。上下や左右をそろえたい時だけ、切る前に一度見れば大丈夫です。
生地を整えてから裁つ
水通しや地直しが必要な生地は、裁断前に済ませます。先に整えておくと、裁った後の寸法が安定します。
一方で、生地によっては水通し不要で使いやすいものもあります。生地の商品ページや説明に、水通し、洗濯、アイロンの扱いが書かれている場合は、その案内を確認してください。
シワが強く入っている布は、型紙を置く前に軽く整えます。折り目や耳のゆがみが気になる場合も、先に布を落ち着かせてから裁ちます。
裁断前チェックリスト
- 届いた型紙の商品名とサイズを見た
- 1サイズ型紙か、複数サイズ型紙かを見た
- マルイシの型紙は縫い代込みなので、そのまま切れることを見た
- 複数サイズの場合、写す線を指で追ってから写した
- 必要なら、型紙を写して原本を残した
- 必要なパーツと枚数を確認した
- 地の目線に合わせて型紙を置いた
- 柄の上下、布の表にしたい面、左右パーツの向きを確認した
- 水通しや地直しが必要な場合は、裁断前に済ませた
- すべてのパーツを布の上に置いて、用尺が足りるか見た
ここを越えると、縫うところに入れます
裁断って、正直ちょっと大変です。裁断が大好きという人は、そんなに多くないかもしれません。
でもここを越えると、縫うところに入れます。ここでつまずかないように、切る前に一度だけ見ておく。それがこの記事でお伝えしたかったことです。
サイズの選び方、縫い代の見方、生地が向いているか、用尺が足りるか。迷うところがあれば、布を切る前に聞いてください。品番、作るサイズ、使う生地がわかると、こちらも具体的に一緒に見やすいです。
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型紙をこれから選ぶ方は、オリジナル型紙一覧もご覧ください。